前号:止まれない院長の悩みの続きです。

診療時間を変更するのは、行政への届け出や患者さんへの説明、院内掲示の変更など労力もかかります。しかし、医療機関はある程度余裕を持った経営が必要で、人もお金もギリギリの状態だと危険です。
これはダム経営(松下幸之助用語※図2)という手法です。目一杯水がたまっているダムだと、少し雨が降っただけで溢れて機能不全になってしまいます。それと同様で、診療だけに人員やコストをかけると、イレギュラーな対応などができなくなってしまいます。改善できることを話し合ったり、相談したりする時間もとれない状態になります。余裕をつくることは、一見ムダに思えるかもしれません。しかしこのムダが、長期的な経営の安定と発展を保証する保険料になります。


※基本概念:ダム経営 人・モノ・金が100%動いていなければ利益が出ないようでは、何かがあればすぐに利益が出なくなります。そうではなく、80%の稼働でも利益が出るようにしなければなりません。人に対しても同じです。社員の80%が働けば利益が出るようにすることを指します。 |
診療時間を変更する恐怖

なぜなら、診療時間中のパフォーマンスが上がりやすくなるからです。変化の過程で、『自院が本当にターゲットにする患者層はどこか?』を決める必要があり、自ずとここは手放そうというポイントが出てきます。そうすると、余裕を持って患者さんを診ることにもつながります。
また院内における問題点や、スタッフの不満を解消できる機会が設けられることで、スタッフのパフォーマンスも向上します。必然的に患者さんへの満足度が上がり、「診療時間が変わってもここがいい」と患者離れにつながらなくなります。仮に他のクリニックに浮気されたとしても、「やっぱりここがいい」と戻ってきてくれるケースもあるようです。


しかし、長期的にはスタッフの満足度や対応力が上がることで、院内の雰囲気も良くなり、既存患者さんの満足度が上がったり、口コミによって新しい患者さんが増えることも考えられます。
問題なのは、患者さんと接する事が多いスタッフが不満をためていたり、疲弊してしまうこと。パフォーマンスが下がった状態のスタッフと患者さんが接することは、離反や売上減につながる可能性が高いです。

うまくいっているクリニックの共通点



弊社もクリニックのスタッフ面談に同席することがあるのですが、本当にさまざまな意見が出てきます。「こんなに話す人だなんて知らなかった…」「こんな考えを持っていたんだ」と、スタッフの意外な一面に気づくことも。


その時に大事なのは、一方的に院長が決めてから伝えるのと、一度スタッフの意見を聞いてから決めるのでは、受け入れられ方が全く違うということを理解しておくことです。ただ「これに決まったから!」と言うのではなく、「前回伝えていた●●の件だけど、これで決めようと思う。どうかな?」といったように、スタッフをうまく巻き込む必要があります。院長から事前に相談をされると、スタッフの受け入れ体制も変わります。




しかしスタッフの多くは、プロセスを知りたい人が多いのです。「院長を支えたい。だけど、いつも結論だけ言われるので助け方がわからない」という声もあります。「院長先生が何を考えているのかわからない」、こう言われたことがある方は要注意です。(ちなみに僕も言われたことがあります…。)
例えば、「●日●時にミーティングをするので休診にします」という決定事項だけ伝えてしまうと、スタッフは「え・・・なんで?意味がわからない!」となります。ミーティングといっても、何の話し合いをするのか、なぜミーティングが必要なのかなど、目的や背景をきちんと伝えることが大切です。

今回は、止まることの重要性についてお伝えしました。まずはスタッフとどのようなクリニックをつくっていくのか、院長の頭の中を固めていく事が第一歩なのかもしれません。
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